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ライフサイクル②~基本的信頼の獲得~

今回のキーワードは「基本的信頼の獲得」です。基本的信頼とは、具体的に何とは説明のしにくいものです。これは、自分自身が「生きるか、死ぬか」といったレベルで悩みぬくような状態に陥ったときに、心の最も深いところで「自分はそこそこ信じるに足る人間である」と思え、最後には「自分はこれでいいのだ」と肯定できる感覚の事を言います。

別の言葉で説明すると、人間が自分の事を認める事ができる「I’m OK」という感覚ともいえるでしょう。エリクソンはこの「基本的信頼の獲得」を生後約1年間で獲得すべき「課題」だと言っています。

では、この「課題」はどうやったら獲得できるのか?

それは、「質的に良好な母性関係」が築かれる事が重要です。「質的に良好な母性的関係」とは、乳児が求め、親が満たす。満たされた様子を見て、親自身もまた満たされるという相互体験の繰り返しである。とエリクソン達は言っています。

つまり、乳児だけでなく、親も相手から「You are OK」をもらい、そして相手に「I’m OK」を与える相互体験がその子が「基本的信頼」を獲得する一番の方法なのです。

つい先日、私の友人の父親が他界されました。その友人は深い悲しみの中で私に電話をくれました。私は正直言って、慰めの言葉も励ましの言葉もかけられませんでした。そんな電話越しのの言葉よりも「父の死」という現実の体験の方が私には重く感じられたからです。しかし、友人は私にこんな気持ちを話してくれました。

「私は嘆き、悲しむよりも、父と母の自慢の娘だと胸を張って生きて生きたい。」

私は、これこそが「基本的信頼」というものではないかと思いました。父と母がこの世に産んでくれた「自分」という存在を何よりも自分が「認め」誰よりも、「自分はこれで大丈夫」と信じ抜ける力。これこそが「基本的信頼を獲得」した姿であり「I’m OK」の形なのではないでしょうか?

世の中には私の友人のように「基本的信頼の獲得」に成功した人もいれば、生まれてきたことを疎まれ、「You are not OK」を与えられて、それの獲得に失敗した人もいると思います。ここまでの文章を読んで「自分はそうかもしれない」と感じた人もいるかもしれません。

しかし、この「ライフサイクル」の考え方では、それは「必ず取り戻せる」といっています。この課題は後々の貴方の成長の中で形を変えた「課題」として貴方の前に現れます。そのときにこれに気づき、獲得することで、貴方はまた一段と「人間」として成長することができるのです。

最初にも書いたとおりこの「基本的信頼」というものは心の最も深いところにあるものなので、常に感じたり、簡単に探し出すことはできません。しかし、私は大抵の人たちが、この「基本的信頼の獲得」に成功していると思っています。

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